(株)ドリームマーケティング
http://www.dream-marketing.jp/

2010年11月10日

売れる広告の創り方~第28回クリエイティブ研究会~




毎年11月恒例の楽しみな、JAAAクリエイティブ研究会に行ってきました。

これは、社団法人日本広告業協会が主催する、

その年に創られた最も創造性にあふれるクリエイターに贈る賞で、

その受賞者が、

クリエイティブのノウハウや裏話を赤裸々に語ってくれるイベントです。


今年のテーマは、「世の中にひろがる広告づくりのコツ」。

売上を上げるためには、

広告づくりは、最後の落とし込みになる、

かなり泥臭い仕事になりますが、

そのクリエイティブの現場の汗と涙と喜びが伝わってくるお話ばかりでした。


私が行っている仕事は、会社全体の売上の仕組みを設計し実践をお手伝いをするところにありますが、

最後の落とし込みの広告作りのアドバイスも毎日のようにしておりますし、

1枚の売れるチラシを追求してきたため、

私の原点ともなるのが広告づくりのクリエイティブだと言えます。


このイベントも、10年以上通っているでしょうか、

今回も楽しみに参加をさせていただきました。



まず、コーディネーターのJR東日本企画の金森誠さんの挨拶。

●広告業界も最悪の状態を脱して、少し良くなってきた。
●クリエイティブこそが広告と世の中を救う。
●九州はクリエイティブ・パワーが強い
●いかに効果的にスピーディに、そして成果が上がることを追求
●マス広告、インタラクティブ、口コミなどが有機的に結びつく重要性
●こんな時代だからこそ、広告のクリエイティブで元気にしたい

そして、受賞者の皆様の発表です。

メダリスト3名とCreater of the year 1名の計4名の発表です。

それぞれの受賞者のお話のポイントをご紹介させていただきます。

感じたことは、

『成果を出す人は、自分独自の必勝パターンを持っている』

ということ。

そして、

『その人にしかできない、その人の人生色に染まったクリエイティブ』

ということが伝わってきた発表です。

ほぼ全文をご紹介いたしますので、

「売れる広告づくりのエキス」を感じてみてください。


●タンバリン 横澤宏一郎さん




・哲学+ユーモア
・アイディアの豊富さ
・フットワークの良さ
・良い広告とは
・博報堂に入社して「世界で一番哀しい人は、才能が無いのに努力している人だ」という言葉で挫折
・「自分のやった仕事を知ってほしい」という欲望があった。
・「やれる、やりたい、じゃない。やりたいか、やりたくないか、だ。」という言葉で再度やろうと決意
・自分で企画から監督まで全部をやった。
・予算がなくても、ゲリラ的に仕事をやった。
・「正しい」より「強い」広告を創ること
・“”広告は入社面接、9割は落ちる。記憶から。
・「差別化」=「個性化」その商品の顔つきや個性が大切
・日本は差別化、欧米は本質化を追求している
・100~200万円でテレビ番組を創った
・予算がない?アイディアだ!
・あつまる君の求人案内
・スーモ キャラクター設定を提案 全部自分でクリエイティブ 手触りが欲しいターゲット層
・「面白いかどうか」自分が面白いと思えるかどうか?スーモは3年の成果を1年で上げた
・自分を基準に考えるしかない。他人の気持ちはわからない
・一人の強い想いが、万人に通じる
・ツタヤDISCAS 監督も一人ですべてやった
・正しいかどうかは分らない。強さを感じたことをクリエイティブに活かしている
・成果を出したので仕事をもらっている
・「発見か、共感か、驚嘆か。」が機能的に考えるとポイント
・自分で経験したことは強い企画になる。みんなが共感できる。リアルに落とし込む。
・フレームができたら、後はネタ
・人を幸せにしたいCMを創った 


●電通九州 勝浦雅彦さん



・数年ぶりに地元九州出身
・九州は毎年ノミネートが多い
・暖かさ 愛情、クライアント・生活者・世の中へのメッセージ
・ソーシャル(社会的なもの)がテーマ
・社会的な啓発
・人の心を動かす→商品を動かす→社会を変える
・人の心を動かすに集中するのが、ソーシャル
・伝わるか、伝わらないかというシンプルな真理
・質庫ぜにや本店 担保貸しを現代流に
・発想のヒント 伝えたい
松本清張「砂の器」 たった一行だけを映画にした「・・・どうやってこの親子二人が・・・この親子二人にしかわからない」
その一行が分かるのが広告のポイント

・CMの中の「自分」 遠距離・物が捨てられない性格
・大切なのは、普通であること
・その実感をすくいとれるか、実感と共感は近い
・同和問題TVCM 差別の本質とは?
・普通の感覚、普通の視点を大切に
・障がい者の人権 「がい」は平仮名 人間が一番のバリアフリー
・「バリアフリー」とは何か?バリアを創るのも壊すのも人間 
・盲導犬は一生懸命なのに、人間は何をやっているのか?
・福岡県 自殺防止ポスター 娘世代からのメッセージ 一番言ってはいけないこと「頑張ってください」
 明日も「ただいま」を聞かせてください
 幸せもわけあってきた
・公共広告は数値化出来ない
・プレゼンが20社以上も多い
・企画・コピーをする前に、社会問題の本質を徹底的に話し合う
・問題の本質
・福岡新聞学校プロジェクト

発端は「新聞が、ヤバい」
このままでは若年層が新聞に見向きをしなくなる?
5つの新聞と電通九州が立ち上がった 奇跡のコラボ

(1)ターゲットは高校生 福岡の未来
(2)新しいビジネスモデルを創出する。

・ボランティアではいけない
・宮崎駿「5歳の女の子に、おじさんの理屈なんて何の関係もない」
・コピー「新聞はキミたちのキャンパスだ!」
・新聞社の覚悟「伝えない。」徹底的に受け止める
・コピーライターの覚悟「表現しない。」高校生が夢を語る素地
大人の事情を押し付けない
・「未来への提言」を書き込める表現
・福岡県の全高校生135,000人に配ったに新聞を配った 17000通集まった
・知事と高校生の対談など夢をかなえるなど
・政治に対する怒りが多かった「高校生選挙」
・「トイレで水力発電」「自販機に募金箱」「明太カーニバル」「NOT自己完結」
・情報を発信する媒体→情報を受け取る媒体へ 新聞というオールド・メディアがインタラクティブ・メディアに!
・大人になっても大切にして欲しい 広告が広告を超える瞬間
・ソーシャルは、クリエイティブであるべき。正しいことを正しいと伝えるためには、クリエイティブが大切
・「ソーシャル=世のため、人のため」。そしてビジネスの視点を大切に
・今後もコミュニケーションのあり方を大切にしたい


残り2名の「売れる広告の創り方」は、明日のブログへ続きます。  


Posted by 脇田勝利 at 08:11Comments(0)経営が良くなるノウハウ