(株)ドリームマーケティング
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2010年11月12日

売れる広告の創り方~第28回クリエイティブ研究会~vol.3



先日の引き続き、日本最高レベルの広告クリエイターによる、

売れる広告の創り方のご紹介です。

最後は、最優秀賞である、電通 東畑幸多さん。


特に興味深かったのが、「オトナグリコ」(http://www.glico.co.jp/otona/index.htm)

ブランド開発の詳細なご説明。

クライアントからの商品広告のヒアリングを行い、

物事の本質を見抜き、商品を売るよりも、

新しいブランドである「オトナグリコ」ブランドを提案し、

広告のクリエイトでは、

「イクラちゃんとタラちゃんが大人になったら」という設定で、

多くのお菓子から離れた大人の心をひきつけ、

子供のブランドだったグリコから、

大人お菓子ブランド「オトナグリコ」を成功させた手法は、

とても参考になりました。

そのイクラちゃんとタラちゃんが大人になった「オトナグリコ」のCMをぜひご覧下さい。

特に03 「仕事&屋台篇」がお薦めです(笑)。

●オトナグリコ TVCF 01 「再会篇」
http://www.youtube.com/watch?v=6v8Kg8St0MQ

●オトナグリコ TVCF 02「テスト篇」
http://www.youtube.com/watch?v=ktTFfOYRJTU&feature=related

●オトナグリコ TVCF 03 「仕事&屋台篇」
http://www.youtube.com/watch?v=rU3UMm-QqPA&feature=related



クライアントの要望を鵜呑みにしないところは、

私たちコンサルタントと同じ視点をお持ちだと、

強く共感いたしました。




●電通 東畑幸多さん

・とるべくして取った
・「オトナグリコ」が秀逸
・世の中にひろがる広告づくりのコツ
・広告は過渡期
・変わってきている部分と、本質的に変わらない部分がある
・広告・コミュニケーションは、いまとてつもない過渡期
・メディアが増えているが原因
・集中力がなく、ヤフーニュースを5分おきに見ている。
 2分に1回ツイッターチェック
・メディアをどんどん変えている
・人によって情報の取り方が変わっている
・メディア・情報が多すぎ、広告に対するバリアは強くなる一方。
 待ち伏せして情報を伝えるのが難しい
・クロスメディアからクロスソースへ。
・クロスメディア :いろんなメディアへ。出所は一つ
・クロスソース:広告・メディア・口コミなど、情報の発信源が違う。話題になる

ということ。
・CMを見る前に話題になることが大切。コミュニケーションに触れる前から面白い

と感じることが大切
・情報を届ける仕組みを考える必要がある。
・口止めされても「人に伝えたくなるアイディア」が重要
・勝手に取り上げられることが大切

●これから創るべきこと

・触れた瞬間に「!」びっくりさせることが大切
(1)非常識が大切。常識を超えることが大切
(2)ハートマークを心に作る。それって良いよねっていう共感

・今の広告作りは何でもあり。特に若手はそう。「空からお金をばらまく」など、素敵なことだよねっていう感覚が抜けている
・共感できることがプロフェッショナルには大切

・!&(ハートマーク)を創る
・事例

「南アフリカの父へ」新聞記事

 日本代表が5連敗した
 父の日にかけて岡田監督の実の娘から手紙を広告にした
 オランダ戦に勝ったとき、かなりネット上で流通した。

(1)どうやったら応援したくなるか、格闘技の「あおりビデオ」が大切で、
バックボーンをきちんと伝える必要がある
 映画でもそう 
 感情移入できる

(2)鈴木宗男の家族の絆

 逆境があると絆が強まる
 話題になり、ツイッター

岡ちゃんに誤るという空気のときにツイッターで第3者でばらまいた

→コンテンツに近い情報だと広まっていく時代

●事例紹介 オトナグリコ「あっ、大人になっている」

・グリコからのオリエンでの説明 アーモンドプレミオという商品

商品コンセプト→品質感のある大人も食べられるアーモンドチョコ
訴求ポイント→カリっとこおばしい歯ごたえを伝えたい

・クリエイターは「客観的」が大切

・意地悪な目でチェックすると、

 カリっとした歯ごたえ・・・
 あんまりニュースじゃない。

・違うんじゃないですか!という視点が大切

クライアントと議論して、

グリコのオトナブランドができることが、
世の中にとってニュースに伝わった方がいい。

という結論に。

・最初にコピーを考えた。日本で大御所といわれるクリエイターのノウハウ

(1)その商品の良さをすべて書き出す
(2)全部悪いところを書き出す

そこに自分だったら欲しくなるところを選び出す
短所と長所は表裏一体

・最初、ハーゲンダッツのようなイメージが良いと言われたが、
グリコというブランドには違和感がある。

 子供っぽいイメージが強かった。

 では、子供向けイメージを逆手にとって、

 「OTONA GLICO」が最初のコピー

・従来のグリコとは違う別レーベルとして商品を出したらどうだろう

ビスコ→大人ビスコ

■クライアントへのプレゼン資料(ジョージクリーニー・グリコ)



・二つの大人向け商品をあわせて
・グリコを離れた大人たちにアピールするCM

・大人向けブランドを創った
・コンセプトは、25年後の磯野家

 なぜ、サザエさん?

 かつて子どもだった人が
 オトナになってもう一度
 グリコというブランドに会う

 日本一有名な家族のサザエさんと子供

 OTONA タラちゃん
 OTONA イクラちゃん

・作りたかったのは、

 小さい頃、お菓子を買うときの
 ワクワクした気持ち

 憧れがあったのが、いつの間にかなくなってしまっている

・参考にしたのは、世界の事例

 カンヌ映画祭
 パイロットのキャンペーン 手書きで書いて、パソコン上で書ける

・ゲータレード

 日本の甲子園の伝説の試合のような、フットボールの15年ぶりに再試合をした伝説の試合

 コンセプト 人はやり直せる

 その頃のメンバーにあって夢を改めて追いかける

・bank of america

 アメリカの主婦
 買い物の端数を貯金できるカード

・そういうアイディアが素晴らしい
・それに触れた時の共通の気持ち
・ミッションによって大きくても小さくても良い
・これからのコミュニケーションは何でもありの時代

 イマジネーションとサービス精神 相手がどうすれば喜んでもらえるか
 クライアントと世の中の人のために

・サプライズがあると思い出になる

 世の中にどうやって喜んでもらう
 身の回りの人を喜ばすことが大切

・面白い仕事のはずなのに楽しんでない
・仕事よりもサプライズを考える

・つまらないことをいかに楽しく変えるか?自分がどうチャーミングに返すかが大切



●最後に受賞者全員に感想を一言づつ

・アイディアが全て

・前向きな人が大切 ジョンレノンに憧れずに嫉妬する。有名な人に嫉妬することが

大切

・会社に入ってよかったのは、面白いことを考えている人がたくさんいる

・毎回新しいチャレンジと全く違うクリエイティブがある

・毎回違う解答がある

・つまらないことをいかに楽しく変えるか?




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今回のクリエイティブ研究会に参加して感じたことは、

これからの広告づくりは、より本質的になっていくだろうと言うこと。

つまり一言でいうと何なのかというコンセプトや新しい視点を

「発明すること」

そして、新しいメディアを創り出し、

「人の心にスッと落ちるクリエイティブの進化」

がより求められているという印象を受けました。


より物事の本質を見抜き、

心に響く売れる広告を私も追求していこうと新たに決意をした

1日になりました。


受賞者の皆様おめでとうございます。そして、ありがとうございました。  


Posted by 脇田勝利 at 07:00Comments(2)経営が良くなるノウハウ