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2018年07月10日

日本と欧米のリスクと安全に対する考え方の違い

今回、福岡の実家に帰り豪雨災害に巻き込まれ、
リスクマネジメントの重要性を改めて知ることが出来ました。

先日の体験は下記のブログをご覧ください。

●福岡で豪雨災害に遭遇し脱出不能?
http://marketing.yoka-yoka.jp/e2047892.html




まず、リスクマネジメントとは何でしょうか?

●リスクマネジメント(risk management)とは、

リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失などの回避または低減をはかるプロセス。
各種の危険による不測の損害を最小の費用で効果的に処理するための経営管理手法である。

と定義されています。




これが出来ている日本人、日本企業はどの位存在するでしょうか?

私も含めて、今回の災害を機会にリスクマネジメントを更に強化することが大切です。


今までの日本はリスクに対する認識が甘すぎたというのが世界の中で当たり前の認識なのです。

「日本と欧米のリスクと安全に対する考え方の違い」を比較してみましょう。

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●日本のリスクと安全に対する考え方

○ 災害は努力すれば,二度と起こらないようにできる
○ 災害の主原因は人である
○ 技術対策よりも人の対策を優先
○ 管理体制をつくり,人の教育訓練をし,規制を強化すれば安全は確保できる
○ 安全衛生法で,人及び施設の安全化を目指し,災害が発生するたびに,規制を強化
○ 安全は基本的に,ただである
○ 安全にコストを認めにくい
○ 目に見える「具体的危険」に対して最低限のコストで対応し,起こらないはずの災害対策に,技術的深掘りはしなかった
○ 見つけた危険をなくす技術(危険検出型技術)
○ 度数率(発生件数)の重視

●欧米の安全に対する考え方

○ 災害は努力をしても,技術レベルに応じて必ず起こる
○ 災害防止は,技術的問題である
○ 人の対策よりも技術的対策を優先
○ 人は必ず間違いを犯すものであるから,技術力の向上がなければ安全確保はできない
○ 設備の安全化とともに,事故が起こっても重大災害に至らない技術対策
○ 災害のひどさ低減化技術の努力
○ 安全は,基本的にコストがかかる
○ 安全にはコストをかける
○ 危険源を洗い出し,そのリスクを評価し,評価に応じてコストをかけ,起こるはずの災害の低減化努力をし,様々な技術,道具が生まれた
○ 論理的に安全を立証する技術(安全確認型技術)
○ 強度率(重大災害)の重視
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リスクとは,国際安全規格では、

“危害の発生確率と危害のひどさの組合せ”

と定義さています。

安全とは「受け入れることができないリスクが存在しないこと」というのがフォーマルな安全の定義です。


リスクにも程度があり,そのリスクの程度がすべて受け入れられる、または、許容可能な範囲内に低減されているならば安全と言おうというのが国際安全規格の安全の考え方です。

安全をリスクに基づき,定量的に,合理的に,客観的に,体系的に決めて,合意していこうという欧米の考え方には,学ぶべき点が多く,これまでの長い歴史を経て人類が得た知恵なのです。

例えば、リスクマネジメンントの手法として、
下記のような方法があります。


●リスクマネジメントのプロセス

1.リスクの確認
 どんなリスクがあるのかを洗い出す

2.リスクの測定・評価
 リスクの発生頻度や損失規模はどれぐらいかを測る

3.リスク処理技術の選択と実施
 リスクにどのように対応するかを選択する

4.リスク処理結果の見直し
 リスクへの対応がうまくいっているのかを見直す






ビジネスも人生も、リスクに対して適切に準備を行い投資を積極的に行い、
リスクを常に受け入れられる状態にしておき、適切に対応することで、
ピンチもチャンスに出来ることが大切です。

今後、日本と世界の平和が継続することを心から望みますが、
「万が一」に備えてリスクを最小化し損害を最小限に抑えると共に、

リスクが発生した時は、必ずと言っていいほどチャンスが転がっています。

つまりピンチはチャンスなのです。

ピンチの時に致命的な損害を避け、
リスクをマネジメントし損失を最小化し、
そこにあるチャンスを最大化することが重要です。


攻めのマーケティングと、守りのマネジメントの両輪を更に強化し、
経営の安定化、夢の実現に向けて進めて参りましょう。