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2017年03月10日

欧米のリスクに対する考え方に学ぶ




東日本大震災から明日3月11日で6年になります。

改めて「リスクに対する認識」について考えてみたいと思います。


よく海外にいると感じることは、

「リスクを減らし安全を手にいれるためには、
 お金を払わなければいけない」

ということです。

毎月、3週間は日本中、世界中のホテルや時にはキャンプをしてテントに泊まったり、

世界中でキャンピングカーで旅をしてきました。

どこでも3秒で眠れる(笑)のが私の強みでもありますが、

海外の安宿を安易に選ぶと、かなりヤバい所に泊まってしまうことも多いです。


隣の部屋が薬物中毒者のジャンキーだったり、
周りを散策していると、落書きだらけゴミだらけのホームレスの溜まり場だったりしたり、
時には拳銃で脅されたこともあります。

海外では、安くしようと思うと、逆にコストが高くなったり、
安全を脅かされることが当たり前の「自然の法則」が働いていますので、
リスクに対する意識をかなり持たないといけません。

これが世界の常識です。


「日本人は安全と水は無料で手にはいる」と良く海外で言われていますが、

日本最大のドヤ街と言われ治安が悪いと言われている大阪の西成などに泊まって、
近くを散策しても至って安全なのが日本なのです。



つまり「リスクに対する認識が甘い」のが日本にいると当たり前になっているのです。


東日本大震災は「安全神話」によって、
「起こるはずのない想定外のことが起こった」と言われていますが、

これは、本来リスクに対する認識が甘すぎたというのが世界の当たり前の認識なのです。

例えば、「日本と欧米の安全に対する考え方の違い」を比較してみましょう。

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●日本の安全に対する考え方

○ 災害は努力すれば,二度と起こらないようにできる
○ 災害の主原因は人である
○ 技術対策よりも人の対策を優先
○ 管理体制をつくり,人の教育訓練をし,規制を強化すれば安全は確保できる
○ 安全衛生法で,人及び施設の安全化を目指し,災害が発生するたびに,規制を強化
○ 安全は基本的に,ただである
○ 安全にコストを認めにくい
○ 目に見える「具体的危険」に対して最低限のコストで対応し,起こらないはずの災害対策に,技術的深掘りはしなかった
○ 見つけた危険をなくす技術(危険検出型技術)
○ 度数率(発生件数)の重視

●欧米の安全に対する考え方

○ 災害は努力をしても,技術レベルに応じて必ず起こる
○ 災害防止は,技術的問題である
○ 人の対策よりも技術的対策を優先
○ 人は必ず間違いを犯すものであるから,技術力の向上がなければ安全確保はできない
○ 設備の安全化とともに,事故が起こっても重大災害に至らない技術対策
○ 災害のひどさ低減化技術の努力
○ 安全は,基本的にコストがかかる
○ 安全にはコストをかける
○ 危険源を洗い出し,そのリスクを評価し,評価に応じてコストをかけ,起こるはずの災害の低減化努力をし,様々な技術,道具が生まれた
○ 論理的に安全を立証する技術(安全確認型技術)
○ 強度率(重大災害)の重視
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リスクとは,国際安全規格では、

“危害の発生確率と危害のひどさの組合せ”

と定義さています。

安全とは「受け入れることができないリスクが存在しないこと」というのがフォーマルな安全の定義です。


リスクにも程度があり,そのリスクの程度がすべて受け入れられる、または、許容可能な範囲内に低減されているならば安全と言おうというのが国際安全規格の安全の考え方です。

安全をリスクに基づき,定量的に,合理的に,客観的に,体系的に決めて,合意していこうという欧米の考え方には,学ぶべき点が多く,これまでの長い歴史を経て人類が得た知恵なのです。

例えば、リスクマネジメンントの手法として、
下記のような方法があります。


●リスクマネジメントのプロセス

1.リスクの確認
 どんなリスクがあるのかを洗い出す

2.リスクの測定・評価
 リスクの発生頻度や損失規模はどれぐらいかを測る

3.リスク処理技術の選択と実施
 リスクにどのように対応するかを選択する

4.リスク処理結果の見直し
 リスクへの対応がうまくいっているのかを見直す








ビジネスも人生も、リスクに対して適切に準備を行い投資を積極的に行い、
リスクを常に受け入れられる状態にしておき、適切に対応することで、
ピンチもチャンスに出来ることが大切です。


攻めのマーケティングと、守りのマネジメントの両輪を更に強化し、
経営の安定化、夢の実現に向けて進めて参りましょう。
  

Posted by 脇田勝利 at 11:19Comments(0)