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2013年06月25日
「武雄市図書館」図書館一点突破の“勝てるまちづくり”

長崎県のコンサルティングに行く前に、
以前から気になっていた武雄市図書館に立ち寄りました。
全国的に有名なその図書館は、まちづくりの成功事例として全国から視察をする方が多数訪れています。
その成功の必勝パターン!を分析に行ってきました。
それでは、武雄市図書館の概要から見てみましょう。
2012年5月4日にツタヤである株式会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者にすると発表、2013年4月1日、全面改装し、CCCを指定管理者とした運営が始まった。
年中無休で朝9時から夜21時まで。
貸出対象を日本国内居住者に拡大して市を越えた運営を行っている。
貸出カードをツタヤの「Tカード」にし、95%の利用者が使用。
Tカードの場合には貸出時にTポイントを付けるなど、同社のノウハウを生かした利用者サービスの向上を図り、
年間約1億4,500万円を要する図書館の運営費を1割節減している。
コーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」も出店し、
図書館内の座席では館内で購入した飲料や、持ち込んだ水筒(スターバックス店内には持ち込み不可)に入れた飲料などを飲みながら図書を閲覧できるようにした。
この事例を全国的に「新しい図書館のロールモデル(手本例)」にする意向を、樋渡市長は繰り返し表明している。
各種図書館、書籍出版協会から、質問書や不備が指摘されているが、
樋渡市長は自らのブログで
「オープン1か月を切って、何を今さらと思うんですが、それはそれとして、こうやって関心を持ってくださることはとても良いことだと思います。
地方にとって、無関心は最大の悪。
そういう意味では、ご質問はありがたく思います。
二の矢、三の矢、お待ちしています。
日本の書籍出版の発展のために頑張ってください。
僕らも応援します。」

●経営面について
・CCCによると、平日は平均約2千人、土、日曜と祝日は5千人前後が来館。開館1ヶ月目の4月の入館者は前年の5倍、図書貸出数も同2・2倍の約5万6千冊に増えた。
・武雄市は年間1億1千万円の委託料をCCCに支払いながらも、直接運営時よりも年間1千万円のコスト削減を見込んでおり、好調な滑り出しといえるだろう。
・代官山のツタヤは新たな試みの店舗で、まるで図書館のような作り、カフェも併設されています。この発想に市長が眼をつけ、また、元々ツタヤが年中無休と長時間営業を得意としていたこともあり、打診して、基本合意に至ったのだそう。
●近隣の書店・レンタル店への影響
・地元のレンタルCD・DVD店は4月の売り上げが2~3割ダウンした。
・経営者は「大手と一般店では仕入れ価格が違い、同じ土俵に立てない。営業努力を続けてきたが、自治体のバックアップを受ける大手とどう戦えばいいのか」と漏らす。
・「市が税金で書店を誘致したようなもの。太刀打ちできず、このままでは廃業するしかない」
・新武雄市図書館開館後、武雄市内のある地元書店は売り上げが前年同月比で1割程度減ったという。店主は「今後はさらに影響が広がるだろうが、何とか品ぞろえなどを工夫して営業努力でカバーするしかない」と話す。
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上記のように様々な点で賛否両論ありますが、
これだけ多くの方に支持をされているため、
武雄市図書館の開館は大成功だと言えます。
気になるのは「図書館の定義」。
武雄図書館に入ると、
「TSUTAYA+スターバックス」がメインで、図書館はおまけのようなもの(笑)に
見えてしまいます。
ただ、予算も人員も限られた疲弊する地方都市で、
一点突破で強みを最大限発揮し、他の街にはないブランディングを行い、
広く人を集めるためには、このような「選択と集中の一点突破のまちづくり」が必要な時代です。
昔のように金太郎飴的な「どこにでもある平凡な箱もの」はもう要りません。
今、地方に求められているのは、一点突破の特徴ある“まちづくり”だと言えます。
こんな素晴らしい図書館が近くにあれば、毎日行きたくなるだろうし、
この図書館があるから、この街に住みました、という人も増えるに違いない。
「○○があるから、住みたい街」と自信を持って言えるようなまちづくりが目指されている。
この○○を創っていくのが、これからのまちづくりであり、地方の活性化のポイントになる。
最後に、樋渡市長の一言。
「“負債”を“資産”に転化させる。
その方法論を示すことこそ、行政の使命だ。」
これからも、日本の活性化のために、今後も企業、ひと、そしてまちづくりを実践して、
成果を上げていきます。

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Posted by 脇田勝利 at 00:05│Comments(0)
│まちづくり
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