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2013年10月23日

フィンランドは、なぜ「経済競争力No.1」になったのか?



フィンランドには、本当に多くのことを学びました。

現地情報を踏まえて、日本に住む私たちがフィンランドに学ぶ事を本ブログでも連載して執筆いたします。




フィンランドは1990年代の前半に財政破たんに近い状態におかれました。

その時の対応策は迅速でした。まず財政支出を大幅に削減しました。

そして、それまででも高額であった税金をさらに上げることを迅速に行いました。

付加価値税をさらに上げたり、高額所得者に対する所得税税率も上げたのです。

北欧モデルという福祉モデルを捨てるという選択肢はとらずに、それを守りながらの財政再建だったのです。


フィンランドも以下の5つの方向性を財政危機にも関わらず明確に打ち出したことです。

1)教育重視
2)環境技術重視
3)IT技術重視
4)福祉重視
5)国際交流強化

 財政危機にもかかわらず、そして大幅に予算をカットするにも関わらず、こうした予算は余りカットしなかったり、むしろ増加させるという離れ業を行いました。フィンランドの教育相は教育予算25%カットという案を一蹴し、むしろ生徒・学生の教育奨学金ローンを充実させるなど予算の増額を提案し、それが認められたのです。

つまり、「選択と集中」を行い、国家戦略を明確にしたのです。

その後の飛躍で、フィンランドは「経済競争力No.1」まで国際的な競争力を高めることに成功します。

その秘密をご紹介させていただきます。



●フィンランドは何故「経済競争力No.1」になったのか?

1. 危機から脱出する「したたかさ」と「集中・選択」

財政破たんに近い状態から、官民の「集中と選択」による産業構造の転換に成功しました。

1994年から高い経済成長を維持し全輸出品のハイテク品割合は99年までの10年間で20%と4倍に伸張したのです。

 限られた資源の活用先転化と効率性追求の姿勢に、そのしたたかさと「集中・選択」戦略が垣間見られます。


2.驚異的な躍進の鍵は二つ「仕組み」と「人」

(1)仕組みの構築

産学官連携による全国14の“サイエンス・パーク”や、経済的に自立した地域を目指し起業家らを支援する仕組みである、各種“産業クラスター”などのフレーム(外堀)を構築した。

(2)人を活かす組織活性化策

こうしたフレームを最大限機能させるための組織活性化策だ。より重要なのはリーダーシップ型人材の育成などのフレーム(内堀)を明確に視野に入れている点である。仏作って魂を入れる、ということだ。

3. 人材教育と、政府への信頼感の回復

また、政府への信頼を回復したのも重要な点。

OECDランキングによると、フィンランドは「政府の無駄」「契約と法令への信頼性」「政治腐敗認知指数」「政府の効率性」の全てで世界一。

わが国の年金・税制問題解決にも不可欠な要素です。

グローバルな人材育成に集中。ICT教育のほかフィンランドでは語学教育が徹底されるほか、

学問以外の人間力や競争に勝ち抜くリーダーシップ教育を徹底。

博士号取得時の審査は、時に6時間に及ぶ質疑応答に耐えられねばならない。

国全体が各個人が、競争に勝ち抜くために全資源とパワーを結集しているかのようだ。


●参考情報

ジェトロ、日本総研